湊 燈子(みなと とうこ)について
- 年齢:37歳
- 職業:インテリア関連企業での事務職
- 家族構成:夫と、今年で6歳になる娘の3人暮らし
- 現在の状況:帰宅後から就寝まで、間接照明の光とアロマの香りが途切れない静かなリビングで過ごしています。
これを書いている今は、娘が眠りについたあとのリビングです。
お気に入りのベルガモットの香りを漂わせながら、いれたての温かいカモミールティーを傍らに置いてキーボードを叩いています。
とても静かで、穏やかな時間です。
かつての私を縛っていた「正しい努力」
私はもともと、空間のトーンや夜の静けさを整えることが大好きでした。
…と同時に、家族の健康を守るために「毎日きちんとした手作りの夕食を用意すること」が、親として、妻としての正しい愛情表現だと信じて疑いませんでした。
しかし、その「正しい努力」こそが、私が一番大切にしたかったものを毎日壊していました。
仕事から帰り、やっと安らげるはずの家の中で、私は慌ただしく換気扇のスイッチを入れます。
轟音が部屋中に響き渡り、今日あった出来事を話す娘の小さな声も、せっかく流していたお気に入りの静かな音楽も、すべてかき消されていきました。
こだわって集めた間接照明を灯し、高価なルームフレグランスを置いても、夕方6時のキッチンから発生する油と醤油の匂いが、すべてを塗り替えてしまうのです。
家族の体を想うという優しさが、家族が心からくつろぐための「リビングの空気と静けさ」を、私自身の手で濁し続けている…。
その矛盾に、心も体もすり減る毎日でした。
本来の空間を取り戻すまでの試行錯誤
どうにかして夜の静けさを守りたくて、私はたくさんの犠牲を払いました。
数万円もする業務用の強力な消臭機をリビングに置いてみたり、音が静かだという最新の換気扇へのリフォームを検討して何社も見積もりを取ったり、煙が出ないという特別な調理器具をいくつも買い漁りました。
費やしたお金は数万円ではききませんし、何より「どうすれば匂いと音を消せるのか」と悩み続けた時間は、取り戻すことができません。
そして気づいたのです。「家の中で火や油を使う」という行為そのものを続けている限り、どれだけお金をかけても根本的な解決にはならないということに。
だから私は、家の中から「火と換気扇のノイズ」を物理的に切り離すという、新しい日常の仕組み(インフラ)を取り入れることにしました。
この記録を残す理由
毎日キッチンに立ち、ご家族のために温かい空間を作ろうと奮闘するあなたの愛情は、本当に素晴らしいものです。
その真面目さと優しさには、尊敬の念しかありません。
だからこそ、考えてみてほしいのです。
このまま、家族を想うがゆえに毎晩キッチンから熱気と匂いを発生させ、あなたが一番大切にしたい理想の空間の空気を濁し続ける日々を選びますか?
それとも、家庭内から「火と換気扇のノイズ」を静かに切り離す合理的な仕組みを取り入れ、夕暮れ時から就寝まで、アロマの香りと間接照明の静寂がいっさい途切れない、シームレスで美しい夜を手に入れますか。
私は、台所のノイズを手放し、夜の静けさを守る道を選びました。
あなたの夜の空気は、誰が守るのでしょうか。
この記録が、あなたの空間を見つめ直すささやかなきっかけになれば幸いです。
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